ハートレイルズは 2006 年の創業以来、徹底してリモートワークに拘っています。
ハートレイルズはパートナーを含めてまだ 15 名程度の小さな組織ですが、この規模でも原則全員が異なる場所で働いている組織は、日本ではかなり珍しいのではないでしょうか。
ハートレイルズには海外を転々としながら働いている人や関東近郊以外の地方から働いている人、マジシャンを副業にしながらエンジニアとして働いている人など、様々な場所から、様々な関わり方で働いている人がいます。性格も体育会系な人や草食系な人、リア充な人から非コミュな人、オタクな人まで様々です。ハートレイルズはエンジニアやデザイナーを主体としている企業ですから、最低限 「プログラミング/デザインがきちんとできること」 は求められますが、それ以外はなるべくスタッフの多様性を維持しつつ、リモートワークを維持しつつ、組織を拡大していくというチャレンジをしています。
最近はおかげさまで全国各地のエンジニア/デザイナーの方々からスタッフ募集への応募をいただいている状況ですが、多くの方はそのモチベーションの一つとしてリモートワークを挙げていますので、今日はそのリモートワークについて、簡単に紹介したいと思います。
ハートレイルズはウェブサービス、スマートフォンアプリの開発会社です。自社サービスの開発も行いつつ、受託開発も (モチベーティブな案件は) 積極的に行うようにしています。開発の規模は小規模なもの (1、2 ヵ月) から大規模なもの (半年以上) まで様々ですが、自社サービスの開発ではもちろん、受託開発でも要件定義から入り、運用までの全てのフェーズを担う (もしくはお客様と共同で担う) 体制で進めています。また、自社サービスの開発と受託開発でエンジニア/デザイナーの所属を分けておらず、時々の状況に応じてプロジェクトを編成しているのも特徴です。
ハートレイルズがリモートワークに拘っているのは、それが働き方の最適解 (の一つ) だと信じているからです。リモートワークの明確な長所としては、通勤時間がなく、働く場所や働き方に裁量を持てる、ということが挙げられます。また、コミュニケーションのベースが非同期となることから自然と無駄な会議が減り、必要な会議 (もちろんリモートです) に必要な人だけが参加するというスタイルとなります。リモートワークは全体的に従来の働き方から無駄を削ぎ落とした働き方になるため、そこで生まれた時間をさらに仕事に当てたり、自己研鑽、あるいは家族のために当てることができるようになります。
逆に短所としては、人によりけりですが、運動不足になりがち、オンとオフの区別が曖昧になりがち、といった生活習慣や自己管理の問題や、雑談の場や飲み会が少なく、仕事以外でのコミュニケーションや人間関係に物足りなさを感じがちになる、といったことが挙げられます。
また、稀にリモートワークだと仕事をサボれるのではないかと低レベルな勘違いをしている方も見受けられますが、ハートレイルズがリモートワークに拘っているのは、個々の働き方を最適化することで、結果としてステークホルダーに最大の価値を届けるためです。仕事の結果がオフィスワークよりも劣るようなら、組織として生き残ることは難しいだろうという覚悟と誇りの元、日々働いています。
ハートレイルズはウェブサービスやスマートフォンアプリの開発会社ですから、リモートワークを維持する仕組みは、そのまま開発を円滑に進める仕組みとなります。この点、ハートレイルズはリモートワークならではの特別な仕組みは特に用意しておらず、むしろ開発に際しては当然のことを空気のように徹底してやることを重視しています。
参考までに、具体的なポイントを下記に列挙してみました。
ハートレイルズでは原則全員が異なる場所で働いているため、全ての情報/状況は文章化され共有され、あらゆる作業に必ず担当者がアサインされ、あらゆる進捗が随時マネージメントされます。曖昧な状態というのはリモートワークでは厳禁で、見える化の徹底により全員が迷わず作業に没頭できる状態を維持することが、ハートレイルズの高速/高品質な開発の原動力です。
同時に、情報/状況の共有の停滞は組織の壊死と捉え、新鮮な情報/状況が共有され続けるようにマネージャーが常に配慮し、エンジニア/デザイナーが小まめなアウトプット (WIP PR ワークフローを採用) で応えることが、リモートワークを維持する一つのポイントとなっています。
※ 逆に言うと、ハートレイルズでは出社という概念が希薄なことから、ただ単に出社して椅子に座っているだけでは作業をしたとは見なされません。作業の質や量は全てオンライン上のアウトプットにより判断されます。
見える化された作業は、すべて第三者にレビューされ、必要に応じて専任のテストエンジニアにより QA されます。例外なく第三者のレビューを経ることで、ハートレイルズの会社としてのアウトプットの質を担保しています。なお、「作業の見える化」 の効能によりレビューは作業の早期から随時行われ、要件や設計上の問題点を早期に解消することに一役買っています。
ハートレイルズは受託開発において常駐というスタイルを好んでいませんが (ほぼ全てお断りしています)、その最たる理由は常駐するエンジニア/デザイナーがハートレイルズのマネージメントの外に出て行ってしまうため、アウトプットの質を担保するためのレビューを経ることが難しくなってしまうからです。属人的な作業の質や量の偏りをなるべく排除するため、受託開発においては人を貸すという感覚ではなく、あくまで会社として最大の価値を届けることを重視しています。
よく聞く話として、優れたエンジニアが自主性を持って働けばマネージメントは必要ない、という話がありますが、ハートレイルズはそうした前提に立ってマネージメントレスな組織を作ろうとは考えておらず、むしろマネージメントを重視しています。
ここで言うマネージメントとは一般的な進捗管理やリスク管理を含みますが、その他、コミュニケーションの円滑化、意思決定の迅速化も含めて、エンジニア/デザイナーがブレーキを踏まずに作業に没頭できる状態を常に維持するための、あらゆる業務や仕組み作りを含んでいます。
ハートレイルズはこの点に力を入れているため、プロジェクトが迷走することがなく、エンジニア/デザイナーのスキルによってソースコードの品質に多少の差が出ることはあっても (社内で基準とする品質は 「レビューと QA」 で担保されます)、適切なタイミングで適切なサポートを行うため、最終的にプロジェクトが失敗するということがまずありません。
なお、ここで勘違いしてほしくないのは、マネージメントが重要、イコール、マネージャーの頭数が必要、ではないことです。マネージメントをするのは何もマネージャーだけではありません。エンジニア/デザイナーが高いレベルでセルフマネージメントをすることで、マネージャーはよりマクロな視点での業務や仕組み作りに取り組むことができ、結果として会社全体としての生産性を高めていくことができます。
リモートワークにおいて、コミュニケーションが滞りなく取れることは生命線です。
ハートレイルズでは作業時間中は原則全員がオンラインでいることが求められますが、いくつかのツールを組み合わせることで、いつも側にいるような空気感でコミュニケーションを取っています。
また、リモートワークにおけるコミュニケーションで重要なもう一つのことは、あまりリモートに固執し過ぎないことです。ハートレイルズでは 「たまにはみんなで会うか」 というノリでオフィスに集まったり (オフィスはあります)、「たまにはみんなで合宿でもするか」 というノリで泊りがけで合宿したりすることがあります。リモートでもどかしく感じることがあったら、素直にオフラインで会えば良い、そういう柔軟さがポイントです。
ハートレイルズ流のリモートワークのスタンスについて、少しは掴めましたでしょうか?
こうしてまとめてみると、列挙したポイントは 「作業の見える化」、「レビューと QA」、「マネージメント」、「コミュニケーション」 と、リモートワークか否かによらず重要なことばかりです。逆に言うと、オフィスワークで "なあなあ" で作業を進めてプロジェクトの進行がグダグダになったり、議事録がオンラインに残らない会議で暗黙知が会社を支配していったり、といったよくあるパターンがリモートワークでは著しく生産性を下げるため、上記した通り、健全な開発会社としてやって当然のことを空気のように徹底してやる、ということが何よりも重要で、それが結果的に個々の働き方の最適解 (の一つ) に繋がると考えています。
以上、この記事を読んで、ハートレイルズと一緒に仕事をしてみたいな、もっと話を聞いてみたいな、と感じてくださった方はお気軽にご相談ください!よろしくお願いします!
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